J. Am. Chem. Soc., Article ASAP
DOI: 10.1021/ja208572v
Publication Date (Web): October 14, 2011
Gevorgyan先生は以前にケイ素Siをリンカーとするortho-位アセトキシル化を報告している。
そのときは2-ピリジルシリル基を使っていたが、今回はシラノールのOHを誘導基としてカテコール誘導体を合成する反応を報告した。
ヨードベンゼンジアセテートを酸化剤とする、Pd触媒によるortho-位C-H結合アセトキシル化が重要。
そこで生成する中間体が酸触媒エステル交換、環化により、環状シリル保護カテコールが生成する。
最後にフッ化物イオンで脱保護することでカテコール誘導体が得られる。
アセトキシル化の中間体も経時変化を見ることで確認している。
ortho-位C-H結合アセトキシル化はやはりPd(IV or III)経由だろう。
基質とPd(II)とのパラダサイクルの形成では分子内KIE=2.6で観測されている。
分子間ではどうなんだろう?
誘導基を使う反応では分子内KIEが大きな値で観測されているが、分子間では観測されないことがよくあるが?
この誘導基はフッ化物イオンで容易に脱離可能なので、その他のC-H結合官能基化反応への応用ができるか期待。
また、基質のフェノール類の酸素原子から窒素、硫黄に変えることはできるのか?さらに、sp3C-Hであればアルキルのジオールの合成が可能になるんじゃないかとこの先が面白そう。
以上、雑記でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿